埼玉県は16日、201571日時点の基準地価を発表した。

県内の商業地域は前年比で0.2%上昇し、2年連続のプラス。

14年にマイナスから脱した住宅氏は0.2%の下落で、再びマイナスに転じた。

商業地は景気回復を背景に上昇基調が続いているが、住宅地は昨春の消費増税前の駆け込み需要の反動減が響いた。

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15年は県内全63市町村の775地点を調査した。

用途別の上昇地点は、住宅地が14年の193地点から157地点に減少。

商業地も39地点から35地点に減った。

ただ、下落地点は43地点から36地点に減少し、横ばい地点が31地点から43地点に増えた。

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商業地で最も上昇が大きかったのは、JR大宮駅西口のさいたま市大宮区桜木町2丁目で5.8%伸びた。上野東京ラインの開業や北陸新幹線の延伸開業で同駅の利便性が高まり、オフィスや商業施設の集積が進んだ。

 

便利になった同駅では宿泊施設の整備計画も進んでいる。

さいたま市は9月、同駅西口の桜木町3丁目に大型ホテルを誘致する方針を打ち出した。

 

住宅地もさいたま市大宮区の上昇が目立った。

上昇率が最も大きかったのは、さいたま市大宮区天沼町2丁目で4.0%伸びた。

上昇率上位5地点のうち、3地点が大宮区だった。

 

県内市町村別の変動率をみると、住宅地が上昇したのは14年の19自治体から16自治体に減少。

14年はプラスだった川越市や狭山市がマイナスに転じた。

下落率が最も大きかったのは寄居町の3.6%で14年より下落幅が拡大した。

行田市や羽生市など県北部の下落も目立った。

 

上昇地点は人口の多い県南部に集中しており、町村部との格差は拡大している。

県内全23町村で住宅地が上昇したのは伊奈町(1.6%上昇)と三芳町(0.2%上昇)だけだった。

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~駆け込み需要の反動減 県内、影響徐々に和らぐ~

埼玉県内の住宅の地価が再び下落に転じたが、消費増税前の駆け込み需要の反動減の影響は徐々に和らいでいる。

 

国土交通省の土地取引規制基礎調査によると、201513月の県内取引件数は前年同期比ほぼ横ばいの23370件だったが、46月は6.4%増の21198件だった。

地価調査を担当した不動産鑑定士の斎藤雅一氏は「取引は再び活発になってきた」と分析する。

 

174月には消費税率が10%に引き上げられる予定で、増税前の住宅の駆け込み需要が再び発生する可能性が高く、地価の上昇要因になりそうだ。

 

ただ、今後は県南部への人口流出が続く一方、県北部の人口減や県全体の高齢化は加速する見通しのため、「上昇要因と下落要因のせめぎあいになる」(斎藤氏)とみられる。

 

 

日本経済新聞:平成27917()