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【カードローン、長期化高額化】

~安易な借り過ぎは禁物~

カードローンが再び身近な金融商品になりつつある。

最近はインターネット専業事業銀行などが続々と新たな商品を投入。

サービスも多様化し、使い勝手が向上している。

ただ便利なるほどカードローンが「借金」であることを忘れがち。

利用には強い自制心と高い計画性が求められることを忘れてはならない。

 

そもそもカードローンとはどんな金融商品なのか。

住宅の購入などの用途に限定される住宅ローンや、土地などの担保が必要になる銀行融資と異なり、基本的に消費者が無担保で使い道を限定せずに借りられる融資のことをいう。

その分、借りる際の金利は比較的高めに設定されている場合が多い。

借り入れには金融機関と保証会社の審査に通る必要がある。

 

過去には消費者金融などによる法律の隙間を狙ったグレーゾーン金利や、それに伴う過払い金問題を背景に「カードローン」という名前だけで一般の人から敬遠される時期があった。

ただその後、三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)や三井住友フィナンシャルグループなどのメガバンクが消費者金融大手を相次いで傘下に収めてから雰囲気は一変。

積極的にテレビコマーシャルを流すなど業者の競争が激しくなり、商品やサービスも多様化している。

 

従来のカードローンは少額のお金を短期間だけ借り、給料日前の資金繰りを賄うためのつなぎ資金などに使うケースが多かった。

このため消費者金融大手の間では、現在も新規の顧客を対象に1か月などの短期融資に限って無利息にするキャンペーンを展開するところがある。

 

これに対し、カードローンを個人向けの戦略商品と位置付けるメガバンクやネット銀などは、高額で長期の需要を取り込む商品を次々と投入している。

2010年に完全施行された改正貸金業法で、消費者は歌詞銀業者から年収の三分の一を超える額を借りられなくなった。多田銀行は規制の対象外で、消費者金融が取り扱えない高額かつ長期の融資を擁している。

 

結果的にカードローンの商品は多様化し、短期で無利息の商品から、上限1000万円で最低金利が年1%台の商品まで幅広い。

事前の審査で融資の限度額と金利は変わるが、消費者のニーズに応じて選択肢は広がっている。

 

例えばMUFG傘下の消費者金融アコムのカードローンは上限500万円で金利が年4.7%~18%。

みずほ銀行は上限1000万円で年4~14%。

ネット銀最大手の住信SBIネット銀行は上限1000万円で年1.99%~14.79%と多種多様だ。

 

サービスも広がっている。

①申し込み手続きをすべてインターネットで完了できる②300万円以下の融資については収入証明書の提出を免除する③事前の審査が短時間で終わって得実に振り込まれるーなど様々な商品が登場している。

 

ただ借りやすくなればなるほど、カードローンの商品性や仕組みを十分理解しないうちに安易に借り過ぎてしまう危険性も高まる。

便利さと使い過ぎのバランスを取ることが非常に難しい。

 

事前の審査はあるものの、お金を借りる際に自制心や返済に向けた計画を持たなければ、すぐに家計は火の車になる。

返済が滞れば、自分の信用情報に傷がつき、いざというときにクレジットカードなど必要な金融サービスを受けられなくなる恐れもある。

手軽さが大きな代償を伴わないように、カードローンの利用には商品への理解と返済の計画が大切だ。

 

 

 

日本経済新聞:平成27年9月27日(日)付:湯田昌之氏