三菱東京UFJ銀行は4月から、住宅ローンの新規契約で、署名や実印の代わりに税と社会保障の共通番号(マイナンバー)を使えるようにする。マイナンバーカードを読み取る装置を使えば、自宅のパソコンで契約を完了、書類提出や対面手続きの手間を省ける。銀行がマイナンバーを金融取引に使うのは初めて。

 新たに始める「住宅ローン契約電子化システム」には、三菱東京UFJ銀のほか、三菱地所レジデンス、東急リバブル、凸版印刷が参加する。
 利用者は、銀行が無償提供するマイナンバーカードの読み取り装置をパソコンにつなぎ、カードを読み込ませる。銀行側はカードのなかにある電子証明書で、他人のなりすましやデータの改ざんがないことを確認する。

 ローンの契約に必要な源泉徴収票や住民税の決定通知書はスマートフォン(スマホ)による撮影画像などで受け付けるため、手続きは自宅で完了する。契約にかかる時間は最短30分程度という。

 書面での契約に必要だった印紙税もいらなくなる。これまで1千万円超5千万円以下の契約で2万円、5千万円超1億円以下の契約で6万円かかっていた。契約初年度に必要な確定申告も、同じ読み取り装置を使い自宅ですませられる。

 三菱UFJ銀が提供するカードの読み取り装置は、同行以外のサービスにも使える。ほかの金融機関や企業でも導入を検討する動きが出そうだ。

 マイナンバーカードは2016年1月に交付が始まったが、交付枚数は17年3月8日時点で1071万枚強と人口の8.4%にとどまる。住民票のコンビニでの発行といった公的サービスに加え民間企業の活用が進めば、普及の追い風となる。

平成29年3月21日付:日本経済新聞 より