埼玉県秩父市など1市4町でつくる秩父地域おもてなし観光社は5月、海外の学生の教育旅行を「民泊」で受け入れる。

埼玉県と協力し、台湾とメキシコの中高生を誘致。

秩父地域の一般家庭に宿泊し、日本の田舎生活を体験してもらう。

将来のリピーター獲得につなげるほか、海外に民泊を秩父の観光資源として情報発信効果も期待する。

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秩父地域おもてなし観光社が手掛ける民泊は東京都大田区のような宿泊を目的とした民泊とは異なり、宿泊を含む生活体験を提供するものだ。

2014年度から民泊事業を始めており、本格的に海外の学生を受け入れるのは初めて。

埼玉県は昨年度、日本の大学に留学する台湾の学生に秩父地域に宿泊してもらうモニターツアーなどを実施。

言語や文化の違いといった課題を洗い出した。

 

まず、5~6月にかけ、台湾の高校2校の総勢約80人を受け入れる。

6月下旬にはメキシコの1校を受け入れ、日本人を含む17~19歳の10人が訪れる。

3~4人ずつのグループに分かれ、郷土料理を作ったり、の作業を手伝ったりといった暮らしを体験してもらう。

 

受け入れ家庭に対しては、外国語を表記したシートを配布し、最低限のコミュニケーションをとれるように配慮する。

ただ、日本の文化も体験してもらうことが目的のため「外国語が話せることは受け入れ家庭の必須ではない」(県観光課)という。

身振り手振りを使った異文化交流も楽しんでもらう狙いだ。

 

~将来のリピーター期待~

秩父地域おもてなし観光社が手掛ける民泊は手軽に日本の田舎生活体験ができるとして、受け入れ校数を増やしている。

2014年の開始時点では2校だったが、今年度はメキシコ校を含めて9校の計画。

都心から1時間半程度のアクセスの良さを生かし、東京観光の旅程に組み込みやすい点が受けているという。

 

受け入れ家庭に対しては、生活体験の指導料として、学校側から同公社を通じ一人一泊あたり5000円が支払われる。

また、生徒の食事には地場産品を使うことを推奨しており、地域への経済効果もある。

 

秩父地域おもてなし観光社は「県内にはインバウンド(訪日外国人客)を呼び込む観光資源が少ない。学生時代に秩父に宿泊し、将来のリピーターになってもらえたら」と期待している。

 

 

日本経済新聞(表悟志氏):平成28年4月14日(木)