総務省と国税庁は2018年にも、価格の割に相続税が安くて済む高層マンション祖節税目的で購入する動きに歯止めをかける検討に入った。

現在は階層や購入価格にかかわらず一律となっている相続税の「評価額」を高層階に行くほど引き上げ、節税効果を薄める。

高層階の物件は税負担が増える一方、低層階を中心に税負担が軽減される人も出てきそうだ。

マンション節税防止
 

~総務省・国税庁、18年にも~

マンションなどの相続税を計算する際の基準になる総務省令の改正案を今秋にもまとめ、今年末に与党の税制調査会に諮る見通しだ。

早ければ17年に省令を改正し、18年1月から実施する。

 

大都市圏などで増える「タワーマンション」と呼ばれる超高層マンションは、眺望が良い構想に行くほど価格が高くなっている。

同じ面積でも、低層階の最大で数倍になることもあるという。

 

ところがこうした高層マンションでは、相続税の算定基準となる「評価額」は階層や陽当り具合によって差がつかず一律だ。

マンション1棟の評価額を各戸の所有者がそれぞれの床面積で「均等」に分割しているからだ。

 

国税庁が全国の20階以上の住戸343物件を調べたところ、相続税の評価額は平均で市場価格の三分の一にとどまっていた。

 

この結果、資産家らが超高層階の部屋を買えば現金で相続する場合よりも相続税を減らせることが多い。

たとえば現金1億円を相続すれば財産から差し引ける非課税枠(基礎控除)を考慮しない単純計算の場合で税率30%相当、3000万円の税金がかかる。

 

一方、1億円で高層マンションを買えば、課税上の評価額が数分の1ほどに小さくなる。

評価額が3000万円なら相続税は15%相当の450万円ですむ。

同じ1億円を相続するのでも大きな開きが出る。

 

15年1月の税制改正で相続税の最高税率が50%から55%に上がり、基礎控除も4割縮小。

「タワマン節税」が大都市を中心に人気を集めた。

マンション価格が上昇傾向をたどる中で、「資産家しか使えない節税策は規制すべきだ」といった声も政府税制調査会で出ていた。

 

総務省と国税庁は実際の物件価格に合わせ、階によって評価額を増減するよう計算方法を見直す。

具体的にどう手直しするかは今後詰める。

たとえば高層マンションの20回は1階の10%増しといった形で一定の補正を行う案が有力だ。

 

市場価格1億円の高層マンションを相続すると、3000万円だった評価額が省令改正で4000万円に上がる。

3000万円に税率15%をかけた450万円の税負担で済んだものが4000万円に20%をかけた800万円に増える。

 

 

日本経済新聞:平成28124()