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【中古住宅市場の現状】

社会の高齢化に伴い、「居住している戸建て住宅やマンションを売却して、高齢者向け住宅や介護施設に入居したい」「親が生前居住していた遠方の住宅を相続したが、自分は済まないので売却した」など、FPは様々なニーズにより中古住宅の売却に関する相談を受ける可能性があります。

そこで、国土交通省「中古住宅市場活性化ラウンドテーブル」の委員を輩出している東急リバブル株式会社に話を聞いた。

 

~関心が高まる中古住宅市場~

東急リバブルの和田氏によると、中古住宅は立地のほか築年数、耐震補強の有無などの個別条件により需要が異なるという前置きをしたうえで「路線価が上昇傾向にある地域では、買い手は、さらに上昇する前に物件を購入しようとするケースも生じる」と説明する。

路線価が上昇傾向にある地域にある物件の所有者で、すぐに住宅売却を行う必要がない層にとっては「より良い条件で売却できるまで静観する」というアプローチもある。

 

また、和田氏は、中古住宅市場に追い風を与えている要因として、建築費の高騰によって価格上昇が顕著な新築物件を諦め、中古物件を購入するという層が増加傾向にあることも指摘している。

 

~都市部と地方で異なる空き家への対処法~

都市部と地方では空き家の発生理由も異なる。

人口が減少し高齢化が進んでいる地域では、需要が少ないため中古住宅を売却できず「空き家問題」が発生してしまう。

こうした地域では、自治体が空き家バンクを実施することなどで空き家問題を解消するためのアプローチが行われている。

 

空き家数の増加が問題視される一方、「空き家率」には入居者を募集しているアパートの空き部屋なども含まれるため、都市部の純粋な空き家はそれほど多くないのが実情だ。

しかし、相続などで取得した物件が実際に空き家化してしまうケースも往々にして存在する。

 

東急リバブルが2014年3月に首都圏で実施した調査では、空き家の傾向として「約6割が木造一戸建て」「築20年以上の建物が7割」という結果が報告されている。(グラフ1,2参照)

これらの空き家等の将来的な売却・賃貸意向については「まだ決まっていない」が36.1%(グラフ3参照)

東急リバブルの櫻井氏は【売却と賃貸のどちらが良いか」「リフォーム方法や費用はどれくらい係るのか」といった点を知りたいが、それらを総合的に相談できる相手がいないため方針を決めかねている所有者は多いと分析する。

 

例えば、同社が実施している無料診断を利用し、「売却する場合の査定価格や売却費用、手取り金額」「賃貸の場合の賃料からリフォーム費用や固定資産税等の経費をさせひいた収支」を試算することで、方針を明か羽化しやすくなる。

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~中古住宅リフォームは買い手が行うことが主流~

リフォームは「売り手(物件の所有者)」「不動産業者」「買い手」の3つの立場で行うことができるが、中古住宅の売却価格を高めるケースが「売り手」と「不動産業者」のリフォームだ。

 

「売り手」側でリフォームすると、物件の価値を高めた後で市場に出せる。

しかし、売り手でリフォームへの投資を行わなければならないうえ、買い手のニーズに合うとは限らない点から、売り手によるリフォームにはリスクもある。

 

「不動産業者」が手掛けるリフォームは、リフォームやリノベーションを前提にした仲介を行うという専門的な観点から、構造補強やバリアフリー化など、付加価値を高めるリフォームを行い、より資産価値の高い物件として市場に投入するというビジネスモデルが多くなっている。

 

しかし、最近の主流は「買い手」自身のニーズに合わせて行うリフォームやリノベーションだ。

和田氏は「不動産流通経営協会が行った調査では、住宅購入前後のリフォーム実施率は約6割で、買い手が自分の資金や好み、ニーズに合わせて行うケースが大半を占めているのです」と説明する。

 

 

日本版FPジャーナル9月号より